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『論争 格差社会』(文春新書)を読んだ。 小泉内閣も終焉を迎え、「格差社会」や「ニート」が本格的に政治問題化してこれからしばらくは対立軸として与野党の論争が繰り広げられることだろう。 このテーマはNHKの「日本のこれから」で第一回目に採り上げられるほど、国民的な関心事となっている。皮肉にも当時「勝ち組」の代表として番組に出演していたホリエモンは逮捕されてしまった。 僕はこの手の論争でいつも違和感を感じるのは、論者の多くが自分の事を棚に上げて論じる事だ。先日、サラリーマンの平均年収が437万円と国税庁から発表された。政治家はもちろんテレビや新聞、雑誌、論文その他知識人として声高に叫ぶ事ができる階層の人々の多くは、はるかに高い収入をえている。一方、問題だと捉えられている多くの人々は年収が300万円未満の「下流社会」に属する人々だ。主役が不在なのだ。 僕は物を言う前に僕自身について明らかにしたい。 1941年生まれのサラリーマンの父と1937年生まれの美容師の母のもと1965年東京都にて出生。国籍、日本。9つ下に弟が一人。 父は共産党の革命運動家の祖父と東京高等女学校出のインテリの祖母のもと、昭和16年太平洋戦争が始まった年に三男(四男二女)として富山県にて出生。 祖父は戦時中赤として獄中で過ごした。終戦後社会党から高岡市市議になった。 母は福島県会津出身。四男八女の十一番目として農家に生まれた。古いいきさつはわからないが江戸時代は家老だったという。 僕は東京オリンピックを知らない世代だ。まさに高度経済成長の真っ只中、郊外に団地が次々と建設される時代に育った。新しい車や家電が次々と発売され、まじめに努力すれば、きっと今日より明日は良くなると実感した世代だ。 父は六人兄弟の中で唯一大学に行かなかった。正確には行けなかったと言うのが正しいかもしれない。(祖母の話では、ちょうど父が大学進学の時に祖父が妾をつくり家に一切お金を入れなくなったという。祖母は小料理屋を営んでいたのだが父が高校生の時に火事を出してしまい店はたたんだそうだ。) 父は僕に勉強をしろとは言わなかったが、兄弟や両親を見返してやりたい思いから僕をいい学校に入れたがった。 母は典型的な田舎の貧乏子沢山の中で育ったせいか、何か手に職をつけたほうがよいという考えだった。 僕が生まれたのは両親が知り合った東京だけど、育ちは全国だ。幼稚園が2つ、小学校が4つ、中学校が2つ通った、いわゆる転勤族だったのだ。 自分でいうのもなんだけど学校の成績はいつも優秀でたいていはオール5だった。特別に塾へ行ったわけでもないし、がり勉でもなかった。 中学2年からは祖父母の面倒をみるという事で、富山県高岡市に引っ越した。高校はその学区で一番の富山県立高岡高校(たぶん当時は公立高校の中で東大進学率NO.1)へ進学する。高校入学後すぐの進路希望調査で堂々と東大と書いた記憶がある。ここまではいわゆる「勝ち組」の人生なんだろう。 高校進学後は、僕は政治・宗教・哲学と音楽の世界にのめりこみ、バンドの練習か図書館で貪る様に本を読みあさる日々を過ごした。 当然のごとく成績はどんどん下がり入学時には上位20傑くらいだったのが高校三年の大学進学の受験時には200位くらいまで落ち込んでいた。 それでも何とか神戸大学法学部には合格した。大学に進学した後も大学での学問には興味がなく、音楽と(実践的)革命にあこがれた。 18歳(1984年)で初めて参加したデモ(三里塚)で機動隊と乱闘になり、公務執行妨害の容疑で逮捕され21日間拘留され、不起訴保護観察処分となった。確かデモがあったのは7月1日で留置所(麹町警察署)を出て神戸に戻った後、大学生協の散髪屋に行って髪を切ったら、円形脱毛になっていたのを覚えている。 8月になって実家に戻ったのだが、敦賀駅(当時父は単身赴任していた。)に父が迎えに来ていて、無言のまま当時の実家のある小杉町へ父の運転する車で帰った。 それ以来父とも会っていないし、田舎には戻っていない。 それから一年程して、父の不貞が原因で両親が離婚する事になり、僕は母と弟を神戸に呼び三人で暮らすこととなった。 まだ小学校5年生だった弟にはすまないと思っている。経済的な理由や言葉の違いで学校でいじめを受けた。(僕も転校する度に色々嫌がらせを受けたりしたが、いつも自分自身の力を示すことで乗り越えてきた。だけど弟はそれができなかった。) 結局、神戸になじめない弟と母は東京で暮らすことになる。 僕は大学を卒業したが、いわゆる定職には就かずに今で言うフリーターをしながら益々バンドにのめりこんでいた。 音楽との出会いはまた機会があれば書きたいと思うが、当時は真剣に音楽で世界が変えられると信じていた。 そんな僕を失望させたのがSONYのオーディションの最終選考の面接で、30帖程の広さのビデオカメラが回る部屋の真ん中にすわらされて受けた衝撃的なプロデューサーからの質問である。 「我々の今年の一押しはOLをターゲットにしたラヴソングのDREAMS COME TRUEなんだけど君らの売りは何だね?」 僕は腹の底からこみ上げてくる怒りに身体を震わせながら、 「僕はその時感じるままに歌いたい。もしも誰かを(あんたを)殺したいと思ったら、そのように歌うだろう。売る戦略を考えるのはアーティストの仕事じゃなくて、あなたたちの仕事でしょう。」と。僕はこの国でまともなロックは出来ないと思った。 それから結婚して子供が生まれた。子供を育てていくにはそれなりの稼ぎが必要だった。 すでに29歳になっていた僕には社会人としてのキャリアもなく、中途半端な学歴しかないのでなかなか仕事はみつからなかった。それに自分自身の経験から子供には故郷を作ってあげたかった。 タクシードライバーになろう。高校の時に確か文化祭で上映していたロバートデニーロの『タクシードライバー』を思い出して、好きなラジオも聴けるし悪くないなと思った。もっとも映画の結末でトラヴィスがヒーローになってしまうのは納得がいかないけど。 1995年、タクシードライバーになった一年目の年収は720万円あった。僕が18歳(1984年)の時父の源泉徴収票を一度みたことがあったが480万円だった。僕は父に勝ったと思った。1995年以降、僕の年収は年々下がっている。それでも今年からは個人タクシーとなってなんとか暮らしている。 さて、『論争 格差社会』だが17人の論者が様々な意見を述べていて格差論争の全体像を見渡すには手軽だ。 17人の論者のうち二人が1930年生まれで二極化社会も悪くないと言っているが、論じている当の本人たちに聞いてみたい。「あなたは上流ですか?」と。 竹中平蔵と宮崎哲弥のやり取りも面白いのだが、竹中は活字になったものを読むと以外とまともだ。しかしライブドア事件のことについてはガバナンスに何らかの問題があったと認めている。 僕は平等なんてありえないと思っているし、経験的に個の能力には差があることを知っている。 だけど、競争には公正なルールが必要で、ルールに不備があってはいけないし、抜け穴があってもいけないと思う。しっかりとした監視のシステムがあってずるい輩は市場から排除されなければいけないと思う。 タクシーに関して言えば、ずるい経営者が野放しにされ儲かる仕組みが構築されているのが実情だ。そういう意味では市場が健全で偽りのない情報開示がなされていて、利用者が常に選択できるのが好ましい。 ずるいままで儲かるのならまさしく山田昌弘の言う希望格差が拡がっていく。 タクシードライバーの仕事を選んだ僕にとっては『不平等社会日本』の佐藤俊樹の理想論的な職業に貴賎はないというものに同感だが、たとえ機会不平等だとしてもそれを乗り越えることは出来るとも信じたい。 政策としては相続税と法人税の課税を重くし、消費税など逆累進になるものは軽くする必要があるだろう。 失業者(働く意思や能力のある人)を除いて、どの範囲までをニートと定義するかは難しいが、国や自治体が手をさしのべる必要はないだろう。この点では1930年生まれの二人の見解と一致してしまった。 この本に出てくる17人以外にも格差について論じる識者はたくさんいるが最後にひとつだけ言いたい。 「あんたたちムカつくんだよ!」 僕はいつでも勝負してやるから、「オレにも言わせろ!」 僕が奴らに負けるはずがない。 論争 格差社会
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楽天ブログアフィリエイトで日給5万円 2006/10/02 15:02 |
『働く過剰』(玄田 有史)
最初この題名を聞いたときは、「働きたい人が過剰に多すぎて就職難になっている。少子化万歳!」って意味かと思った。どうもそうではないようだ(当たり前か)。 ...続きを見る |
少佐の記憶 2006/10/02 20:43 |
ここは酷い料理旅館跡地ですね
西宮の料理旅館 「播半」跡にマンション 「細雪」ゆかり http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000127342.shtml 親は逝ったことあるっていってたけどな ...続きを見る |
障害報告@webry 2006/10/04 04:23 |
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論争 格差社会
2007年が明けた。 昨年一年を振り返ってみると、おそらく、もっとも頻繁に論じられたテーマが「格差社会」ではないだろうか。 「不景気」「デフレ」などをはじめとして、経済関連の議論ではいつもそうだが、前提となる認識がまずなかなか論者のあいだで一致しない。「いまの日本 ...続きを見る |
Dolphin 2007/01/04 14:15 |
サラリーマンの方へ 本当の意味での「不労所得」と言えるものは、ありましたか?
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2007/02/10 23:11 |
フリーター就職支援に「能力証明書」…政府が格差対策
フリーターの就職支援に「能力証明書」を発行するという今日の記事より。 (引用記事は、下部に掲載) ...続きを見る |
総合情報ニュース徒然草 2007/02/15 17:09 |
東京都世田谷区高校 リスト@
東京都立世田谷泉高等学校〒157-0061 東京都世田谷区北烏山9−22−1TEL:03-3300-6131 FAX:03-3300-3687世田谷工業高等学校〒157-0066 東京都世田谷区成城9-25-1 Tel:03-3483-0204 Fax:03-3483-1194駒場東邦高等学校〒154-0001 東京都世田谷区池尻4-5-1 TEL:03-3466-8221(代表) FAX:03-3466-8225東京学芸大学附属高等学校〒154-0002 東京都世田谷区下... ...続きを見る |
東京都世田谷区高校調査 2007/05/04 19:44 |
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資産を大事に賢く運用講座 2007/07/06 10:45 |
格差社会ニッポンで働くということ←本のタイトル
格差社会ニッポンで働くということ熊沢誠・著岩波書店・刊大枚1900円をはたいて衝動買いした本だったが、実にいい本だった。私自身、これまで様々な仕事に就いてきて、そのどれもがうまくいかなかったわけだが、もっと楽にサラリーマンをやれる国がヨーロッ... ...続きを見る |
期間工から資格取得、社労士開業 2007/07/26 02:29 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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心して読ませて頂きました。私はAsahinaさまのご両親の年代です。なので貴方の年代の方の気持ちも分かるのです。成績優秀な学生時代を過ごしてきて、音楽関係の仕事に付かれなかった事にも気の毒に思ったり、タクシードライバーとしての誇りと、その将来性のために奮闘している事は立派だと思います。多くのお仲間のリーダーとして頑張って貰いたいと思います。余談ですが私の息子もギターリストとしてプロになりたかったのに、今は会社員として『働く過剰』のような会社の働き蜂として熾烈な生活を送っています。命と引き替えになってしまっては何にもならない。親としては胸の痛む気持ちです。イギリス貴族のように働かない生活なんて日本ではあり得ないものでニートも気の毒だけど会社人間も可愛そうな現代の世相ですね。 |
ラベンダー 2006/10/03 13:15 |
NAGISAさま。 |
ラベンダー 2006/10/03 13:30 |
どういたしまして。コメントの返事の代わりにもう少しばかり僕の気持ちを新しい記事に書き込みましたので。そちらも見て下さいね。 |
Sweetsoul69 2006/10/03 23:14 |
格差の問題について私が思うのは、多数の尺度があることを忘れている。 |
スポンタ 2006/10/10 08:51 |
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